優生学、それは一度聞いたら忘れられない怖い学問です。150年前のヨーロッパ、ある人々はトマトの品種改良に熱中していました。でもその考えが、「人間にも応用できるんじゃないか?」というアイディアに変わったんです。最初に動いたのはボルトン博士。彼は「優秀な人間を増やす書類を出そう」と政府に提案しました。なんだか、妙な話ですが一部の人々には響いたのです。その考えは海を越えアメリカに伝わり、大きな波紋を呼びます。ラベンボード博士は「劣った人間を減らそう」と厳しいリストを作成。ついには、多くの州で結婚禁止法や不妊手術が行われました。ヒトラーも同じ思想に取り憑かれ、悲劇がドイツで展開されました。日本もまた戦後の混乱の中、性保護法を作りました。戦争の影響で食料は不足し、「健全な子供を産んでほしい」という切実な問題からでした。ですが、その法律も50年以上続き、苦い歴史として今も訴訟が続いています。