その価値が1億円とされる1973年製のNISSAN KPGC110 SKYLINE GT-R、通称ケンメリが舞台となる。この車は、わずか197台しか存在せず、その中でも純正レッドは世界にたった7台しかないという幻の色である。ある日、この稀少なGT-Rを所有するオーナーに取材を申し込んだところ、快く承諾してもらえた。車の詳しい仕様を聞きながら、じっくりとその姿を撮影する。オーナーは、元は白色だった車体を、純正の赤に塗り替えたと語る。その赤いボディは、太陽の下で一際鮮やかに輝き、見る者を魅了する。このGT-Rは、こだわり抜かれたパーツで構成されている。特に注目すべきはオリジナルのオーバーフェンダーや、純正に忠実なエンジンルーム。そして、オーナーの努力で手に入れた特別なナンバープレートも、この車に対する愛情の表れである。希少な存在感を放つ1973年のケンメリGT-R。その輝きを前に、私たちはただ見入るばかりだった。