子供の頃から従兄弟の由梨香とはよく一緒に遊んでいたが、彼女の性格はとても悪かった。物心ついた頃から、大人の前では良い子を演じ、二人きりになると私をいじめていた。彼女のいじめは陰湿で、私に無理やり飲み物を飲ませたり、体重差を利用して私を押さえつけてくることもしばしばだった。中学に進学すると、やっとそのいじめから解放されたが、私の家庭と両親は未だに彼女を信じ続け、疎遠な関係は続いた。私は高校卒業後、家を出て大学を卒業、就職して結婚することとなり、家族との関係はますます希薄になっていった。ある日、久しぶりにかかってきた母からの電話で、由梨香が大病を患い、命が危険だという知らせを受けた。私の腎臓が適合するかもしれないという話があり、私は仕方なく病院に足を運んだ。検査結果、なんと私の腎臓が適合することが判明。しかし、私はその後、来月から海外勤務の予定があることを伝え、家族の期待を裏切る形でドナーの申し出を断った。母の必死な説得も虚しく、私は自分の人生を優先することに決めた。そして、妻とともに海外転勤のため出発する日、母からまた連絡があり、由梨香が亡くなったことを告げられたが、私は冷徹に応じ、親族との関係を完全に断絶する決心を固めた。その後の母たちのことは、私にはもう関係のないことだった。海外で新しい人生を始めた私は、家族との関係を心から絶ち、これからは妻と共に幸せな未来を築いていくことを誓った。