オーストラリアの州境界は、その見た目ほど単純ではない。地図では真っ直ぐに見えるが、実際にはわずかなズレが存在するのだ。19世紀に行われた測量では、西オーストラリア州の東側境界線が典型的な例である。測量士たちは129度の基準に基づき線を引いたが、中央で微妙にズレが生じた。この誤差はそのまま水平線でつなげられてしまった。また、ヴィクトリア州とニューサウスウェールズ州の境界線でも問題が発生。元々141度の線に沿って設定されるべきだったが、測量ミスにより誤った地点に描かれた。ヴィクトリア州は取得した土地を主張し、対するニューサウスウェールズ州は正しい位置への修正を要求した。最終的に、1892年にイギリスの司法委員会がヴィクトリア州の主張を認め、現在の境界線が確定した。