北関東自動車道は、群馬県、栃木県、茨城県を結ぶ重要な高速道路であり、栃木県佐野市から真岡市を通る区間が不思議なルートを描いています。そのルートは北側に曲がり、小山市を避けるような形となっているため、疑問を生むことも少なくありません。この設計には歴史的背景と具体的な目的が存在します。この道路計画は1987年に構想され、1993年に建設が開始されました。そして、2011年に全線が開通しました。設計の目的には、国道50号で増える交通渋滞の解消、関東の東西を結ぶ産業経路の促進、加えて東京で重大な災害が発生した場合の避難経路確保が掲げられていました。しかし法令により、起点を群馬県高崎市、終点を茨城県ひたちなか市とすること、さらに経由するべき主要地点を前橋市、宇都宮市、水戸市付近とすることが決められています。この結果、北関東自動車道は国道50号に併走する形を取れず、宇都宮市周辺への接続を優先するため、北側へと曲げられ、東北自動車道との連結が実現される形となりました。決して小山市を避けるためではない、歴史と計画に基づいた経路なのです。