最近、信号が青になっているのに前の車が進まない、そんな光景をよく目にしませんか?その原因の一つは、スマホの「ながら運転」です。スマホを使っているせいで周囲の状況に気づかず、信号の変化を見逃してしまうことが多いのです。
増え続けるスマホ使用による交通事故
まずは、携帯電話やスマホを使用したことによる交通事故の増加について見てみましょう。警察庁の統計データによると、2008年には携帯電話使用による交通事故件数は約1,300件でしたが、2018年には約2,800件と、10年の間に2倍以上に増加しています。この中で特に目立つのが、通話目的の使用が減少する一方で、画像やナビ目的での使用が増えている点です。
2008年頃はまだガラケーが主流でしたが、2010年代に入りスマートフォンの普及が急速に進み、GoogleマップやLINEなどのアプリを使いながら運転する人が増えてきました。こうしたアプリの利用が運転中の事故リスクを高めています。
特に死亡事故の発生率に関して、携帯電話を使用している場合、事故を起こす可能性が通常の運転に比べて2.1倍に跳ね上がるというデータもあります。これは非常に深刻な問題です。
取り締まり強化と罰則の引き上げ
このような状況を受けて、警察もスマホ使用に対する取り締まりを強化しています。2018年のデータによれば、全体の交通違反取り締まり件数が約600万件で、そのうち携帯電話やスマホの使用による取り締まり件数は約84万件に上りました。これは、実に7件に1件がスマホ使用に関連した違反であることを意味します。
そして2019年12月、ついに道路交通法が改正され、スマホを使用しながらの運転に対する罰則が大幅に引き上げられました。具体的には、運転中にスマホを使用しただけで、従来は5万円以下の罰金が科されていましたが、改正後は10万円以下の罰金に引き上げられ、違反点数も3点加算されます。これは事故を起こしていない場合の話で、もしスマホを使用しながら事故を起こした場合は、さらに厳しい「交通の危険」に関する罰則が適用されます。
スマホ使用で事故を起こした場合の罰則
運転中にスマホを操作して事故を起こした場合、「交通の危険」
例えば、運転中にLINEの返信をしていて、ふと気が緩んだ瞬間に事故を起こしてしまった…これは誰にでも起こりうることです。しかし、その代償はあまりにも大きく、免停はもちろん、懲役や多額の罰金が待っています。
スマホ以外の「ながら運転」も違反対象
多くの人が勘違いしがちなのが、スマホだけが「ながら運転」の対象ではないという点です。今回の道路交通法改正は、携帯電話やスマホに関する罰則の強化がメインではありますが、ながら運転そのものが違反対象となっています。
道路交通法では、運転中にスマホを手に持っての通話は禁止されていますが、それだけではなく、カーナビやスマホ画面を「注視」する行為も違反とされる場合があります。この「注視」というのが、どの程度の時間を指すのかについては具体的な基準はありませんが、警察官がその場で「危険だ」と判断した場合は、違反として取り締まられる可能性が高いです。
ハンズフリーの通話であっても、通話に集中しすぎてしまい、運転に対する注意が散漫になっていると判断されれば違反となることがあります。
「ながら運転」にならないための注意点
運転中に携帯電話やスマホを使用しないことが最も重要ですが、カーナビの使用やハンズフリー通話なども違反になる可能性があるため、具体的にどのように注意すればよいのかを以下にまとめます。
1. ナビの設定は停車中に行う
カーナビは運転中に設定を変更するのではなく、停車中に目的地を入力しておきましょう。走行中に画面を見ながら設定を変更すると、運転への集中が欠け、事故のリスクが高まります。
2. 通話は極力避ける
ハンズフリー通話であっても、会話に気を取られてしまうことがあります。特に、急な判断を求められる状況では、通話が命取りになることもあるため、運転中の通話は極力避け、どうしても必要な場合は安全な場所に停車して行うようにしましょう。
3. スマホの通知はオフにする
運転中にスマホの通知が鳴ると、つい気になって見てしまうことがあります。LINEやSNSの通知は、運転前にオフに設定しておくことで、不必要な注意散漫を防ぐことができます。
4. ドライブレコーダーを活用する
最近では、ドライブレコーダーが普及しており、事故の際に証拠として活用されるだけでなく、運転中の注意力を高める効果も期待できます。ドライブレコーダーが搭載されていると、周囲の状況に対する意識が高まり、無意識に危険な行為を避けるようになります。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=j5YV7MvDKVE,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]