「息子さんが横領で逮捕されました。保釈金300万円を今すぐ払ってください」。突然、三田和恵さんのもとへ弁護士を名乗る山本一郎から連絡が入った。男は息子を救うためだと迫り、警察にいる、前科を防ぐには金が必要だと不安をあおる。しかし、三田さんは冷静だった。以前から職場で「最愛の息子」の話をしていたが、その息子とは人間ではなく、大切に育てている一匹の猫だったのだ。「私の息子は猫です。猫が横領なんてできますか?」その言葉を聞いた自称弁護士の男は完全に動揺。さらに振込先の名義から正体が派遣社員の山崎だと判明する。男は三田さんを狙った詐欺を仕掛けていたが、思わぬ“猫の息子”という事実に計画は崩壊した。三田さんは証拠を集めたうえで警察へ通報。山崎は詐欺未遂の疑いで逮捕されることになった。まさか愛する猫の存在が、悪質な詐欺師を追い詰める決定的な証拠になるとは、誰も予想していなかった。