「母さんと俺、どっちを選ぶ?」――夫が放った一言に、妻・千恵美は迷うことなく答えた。その瞬間、夫の顔はみるみる青ざめていった。きっかけは、夫が母親から頼まれた東京までの観劇送迎だった。母親を朝から劇場へ送り、終演する夜まで待機して迎えに行ってほしいという無理なお願い。しかし千恵美には、以前から伝えていた福岡出張の予定があった。夫は自分が確認を怠ったにもかかわらず、「母さんが困っている」と妻に責任を押し付けようとしていた。その後も、夫の母親は千恵美の予定を考えず、家事指導や二世帯住宅の話を勝手に進めていく。ついには「同居しないなら離婚」と迫る夫。しかし、千恵美は涙を見せることもなく、はっきりと言い放った。「離婚でお願いします」