その日は私の誕生日だった。しかし、夫の裕介からの、お祝いには期待していなかった。不意に帰宅すると、義両親と夫が笑顔で待っていた。「サプライズだよ!」と夫は目隠しをして私を車に乗せた。到着した場所で目隠しを外すと、そこには見たこともない大きな新築の家があった。しかしそれは二世帯住宅で、私の貯金を頭金に使って夫が勝手にローンを組んだ家だった。驚愕して怒りに駆られた私は、裕介に詰め寄った。「どうして私に相談せずにこんなことをしたの?」と。ただ彼は悪気がなかったと言う。それは私にとって到底理解できない理由だった。そこで私は110番通報することに決めた。警察が到着し、状況を説明することになった。その結果、夫との関係は完全に破綻し、弁護士を通じてローンの無効を申請し、貯金の返済を求め離婚に至った。私の誕生日は最悪の形で終わりを迎えたが、この経験を教訓として、今後は善悪の判断ができるしっかりした人と付き合う決意をした。