俺は30代で結婚2年目、妻の理科の料理が健康的過ぎるのが不満だった。理科の料理は美味しいのだが、油っぽい食べ物や揚げ物が恋しくて仕方ない。ある日、弁当を捨てたことで、理科との関係が悪化した。飲み会の後、家に帰ると理科は無言だった。朝起きると理科は弁当を作っておらず、新しい仕事を見つけてきたと言う。「もう好きな物を食べていいよ」と言われ、心の底からゾッとした。それは実質的な宣言だった。そうして彼女は家を出て行った。それから3ヶ月、俺の体は見事にリバウンド。体重は結婚前以上になり、ますます孤独感が募る。「理科のせいで」と繰り返し思うが、彼女が去ったのは自分の行動の結果だった。誰も戻ってこないこの状況で、俺は自分自身と向き合わざるを得なかった。