私は専業主婦として息子の隆史と夫の真と暮らしている。ある日、授業参観に訪れると、同期の皐月が夫の寛を自慢していた。「うちの旦那は子どもの行事に必ず出席するの。あなたの旦那さんは毎回仕事で欠席でしょ?父親が家にいないと悪影響よ」と言われ、その度に心が沈んだ。運動会の日にも皐月は、「休日に仕事なんて考えられない!」と非難。真は家族のために仕事を頑張りながらも、可能な限り時間を作って参加してくれたのに。数年後、皐月の夫婦は離婚し、彼女は一人で子どもの卒業式に出席していた。職場の人間関係に疲れ果てた寛は、心を病み退職したと聞いた私は、自分の選択が間違っていないことを感じた。家庭を支える夫の姿勢を理解した隆史と共に、私たちは変わらない幸せを維持していた。皐月と再会した時、彼女は疲労した面持ちで、「旦那のことがメンタルで…私たちが幸せだとは思いませんか?」と聞いてきた。私たちは、きっと家庭と仕事のバランスを考え続けるだろう。