30歳になった俺は、平社員のままで手取りは13万円。中学時代に「ロックで世界を変える」と豪語していたあの頃の夢は、今や淡い記憶だ。ある日、中学の同窓会の招待が届いた。地元に帰るのは久しぶりだけれど、昔好きだった真美ちゃんがどうしているか気になる。馴染みの居酒屋で開かれる同窓会。久しぶりに顔を合わせる仲間たちの中には、薄毛になった隆もいた。中学時代の嫌な思い出が頭をよぎる。俳優として成功している順平の話を耳にし、自分は何をしているのかと少し落ち込みもした。それでも、懐かしい話に花が咲き、未だ成長途中の自分にも少しばかりの勇気が湧いてきた。結局、同窓会はそんなに悪くはなかった。新たな気持ちを胸に、地元を後にしたのだった。