社長からの突然のアメリカ転勤命令により、私は不安と期待が交じり合った新生活を開始しました。英語がまったく話せない私にとって、アメリカでの日々は戸惑いの連続でした。最初に驚いたのは、食べ物の量。日本のMサイズがこちらではLサイズに相当し、レストランで出される料理の量は日本の二倍にも感じました。アメリカの職場では、定時になると社員全員が一斉に帰る光景に驚かされました。日本とは異なり、仕事とプライベートをきちんと分ける文化が根付いているようです。しかし、もう一つ違うのは、アメリカでは祝日が僅かに10日しかないことと、仕事ができない人はすぐに解雇される現実でした。また、店員と客の関係も平等で、お客様は神様という概念は存在せず、医療費の高さから健康管理が自己責任であることも学ばされました。最初は戸惑いましたが、これらの経験を通してアメリカの文化を少しずつ理解するようになりました。