千葉県には、日本で最も長い歴史を持つ個人所有の島があります。その名は「仁右衛門島」。この島は周囲約4キロメートルの広さを誇り、千葉県最大かつ唯一の有人島です。そして、この島を所有する一族の物語は実に800年間も続いています。その歴史は鎌倉時代、1180年まで遡ります。石橋山の戦いに敗れた頼朝が逃亡の末に匿われたのが仁右衛門島でした。その後、源氏が平氏に勝利を収めた後、頼朝は感謝の証として島とその周辺の漁業権を重門に与えました。これが仁右衛門島個人所有の始まりです。平重門は自身の名を冠し、島を「仁右衛門島」と命名。以来、一族は代々その所有権を継承してきました。そして現在、平家の子孫である推定38代目がその伝統を維持しています。他では見られない島の歴史、記録の深さは、まさに800年の時を超えた逸話といえます。