暑さが厳しくなる夏、ナス栽培には大きな試練が訪れます。適切な対策を怠ると、ナスの花が咲かなくなったり、実が育たずに枯れてしまうケースが後を絶ちません。そこで重要になるのが「生理障害の予防」「品質と収量の維持」、そして「株の寿命を延ばす」こと。まず不要な葉を慎重に取り除く「葉かき」を行い、実の日焼けと土壌の乾燥を防ぎます。次に「水管理」。朝夕2回の水やりが基本ですが、遮光ネットやワラを使えば水分の蒸発も抑えられます。さらに自動灌水システムを導入すれば、手間なく安定した水供給が可能になります。加えて、見た目が悪く栄養を奪う「ボケナス」や「石ナス」は早めに取り除き、株の負担を軽減することも大切です。最後に、35度を超える猛暑でも活発に動く「ハダニ」などの害虫対策を怠らないことが、夏のナスを守る鍵になります。この夏、確実に実をつけるために。基本を徹底し、ナスの声に耳を傾けることが何よりの近道です。