1953年、エリザベス女王の戴冠式がイギリスで行われました。その際、日本の皇太子様には末席が用意されていました。当時、第二次世界大戦が終わったばかりで、イギリスの対日感情は冷ややかでした。しかし、後にサウジアラビア国王となるファイサル王子が、その状況を打破します。彼は皇太子様を最前列に招き、日本との友好関係を深める契機を作りました。ファイサル国王の即位式では、日本を国賓として招待し、王族の中で特別な敬意を示しました。通常、外国の大使には示されない尊敬の意を、日本に対してだけは例外とし、日本の皇室を深く尊敬すると述べました。この出来事をきっかけに、サウジアラビアと日本の長い友好関係が築かれることになります。末席から最前列へと招かれた瞬間が、両国関係の歴史的な転換を導いたのです。