1968年、赤十字大会での出来事は、まさに人々の記憶に刻まれました。香淳皇后が名誉総裁を務め、副総裁の女性皇族たちが並ぶ中、一人だけ異なる色の装いをされた美智子さま。その白い服装は、ドレスコードが彼女に伝わっていなかったことを示していました。この状況は、昭和天皇の侍従長であった入江氏の日記にも記され、皇宮の雰囲気は「平民出身の美智子さまには辞退があり得ない」といった緊張感を伴っていました。それから50年後、平成最後の赤十字大会にて、雅子さまが15年ぶりに出席された時、その場に立ち会った皇族方は白と今の服装で整然と並んでいました。まるで50年前の出来事を思い起こさせるかのように、場の雰囲気は柔らかく、時代の幕を暖かく閉じました。この大会は、まさに美智子さまの人生を凝縮した一幕であったかのようでした。