アメリカ南部、特に「バイブルベルト」と呼ばれる地域は、宗教が深く根付いた独特な文化で知られています。この地域ではプロテスタントやキリスト教原理主義、復興派などが熱心に信仰され、教会への参加率も非常に高いです。その影響は社会にも浸透しており、過去には学校教育で進化論を教えることが法律で禁止されるほどの保守的な姿勢が見られました。独立戦争以前、北部はむしろ宗教的な地域でしたが、独立した後は商業や教育が重視され、急速に世俗化が進みます。一方で、南部では地域文化と宗教が深く結びつき、宗教の影響力が増していきました。さらに、独立戦争の前後に起こった大覚醒と呼ばれる宗教復興運動が、南部の宗教性をさらに強化します。特に第二次から第四次覚醒期にかけて、南部の宗教的熱情はピークに達し、現在に至るまでその影響を受け続けています。こうした歴史的背景から、アメリカ南部は北部に比べて異常なまでに宗教的な地域となったのです。彼らの信仰は単なる宗教を超え、日常生活や社会の基盤そのものにまで深く根付いています。