大阪府の南端、和歌山県との境に近い場所に、山々に囲まれながら発展を続けてきた不思議な街がある。その名は河内長野市。都会的な駅前と豊かな自然が同居する「謎の都会」の実態を探るため、実際に訪れてみた。まず降り立ったのは河内長野駅。南海線と近鉄線の2社が乗り入れる大きな駅で、難波から約35分というアクセスの良さが魅力だ。駅周辺には商業施設「ノバティながの」が広がり、スーパーやドラッグストア、飲食店などが並び、一見すると非常に活気のある都市に見える。しかし、その一方で施設内には空きテナントも目立ち、かつての勢いが少しずつ失われている現実も感じられた。河内長野市は人口減少が進んでおり、ベッドタウンとして発展した街ならではの課題を抱えている。駅から少し離れると、かつて栄えた長野温泉街が姿を現す。川沿いに旅館が並んだ歴史ある場所で、現在も温泉旅館が営業を続けている。昔ながらの風情を残す街並みは、都会のすぐ近くとは思えないほど静かだった。さらに山間部へ向かうと、そこには棚田や清らかな川が広がる日本の原風景があった。大阪府内とは思えない自然の美しさに、多くの人が魅了される理由が分かる。