社会人音楽サークルの仲間である篠田麻里子から相談を受けた日、彼女を家まで送ることになった。最近ストーカーに付きまとわれているという話だったので、安心させたい思いから駅を挟む遠回りにもかかわらず彼女を送ることにした。深夜に彼女のマンション前で立ち話をしていると、突然背後から押され麻里子は悲鳴を上げた。一瞬の出来事で、スーツを着た男が包丁を持ち麻里子の腕を掴んでいた。俺は無意識に男の腰にタックルをかまし、男は勢いよく飛んで倒れた。その後、動かない男を見て恐怖に駆られつつも、麻里子と一緒に警察に事情を説明した。事件から数時間後、男の意識が戻り、俺の行動は正当防衛と判断されたことが判明。人生の不確定性を痛感した一夜だったが、事なきを得てその瞬間の選択が正解だったことに少しの安心を感じた。