工藤は静かに言った。 「昨日から、何の話をしているのですか」 山下は鼻で笑い、駅前のATMで見た“残高10万円”を持ち出して、貧乏人扱いを始めた。朝から盗み見していたのも、他のママ友へ言いふらしたのも自分だと、平然と胸を張る。だが工藤は動じない。 翌日、山下が再びママ友たちの前で得意げに語り出した瞬間、工藤は事実を告げた。 その10万円は生活費専用口座で、夫は大手企業の役員、自身もネット事業の社長。夫婦年収は五千万円超だと。 さらに、山下の夫が工藤の夫の部下だと知ると、空気は一変した。ママ友たちは沈黙し、山下の顔から血の気が引く。 見下していた相手が、最も格上だったのだ。 その後、山下は自慢を失い、園でも孤立していった。