二〇二六年二月十九日深夜、官邸の執務室。高市早苗は施政方針演説の草案に赤線を引いた――「国家情報局を設置します」。七十年以上避けてきた決断、その一文が国会で放たれる前に、直通電話が鳴り響く。原情報官の低い声は告げた。「原案が流出しました。海外情報機関が関与した形跡、さらに…内調幹部・藤井正彦が出所です」信頼した男の名に胸が刺さる。だが高市は引かなかった。演説は予定通り、むしろ罠として進める――三か月前から藤井に極秘指令を出し、二重工作で“敵の網”を炙り出していたのだ。翌日、本会議。高市が「国家情報局」を宣言した瞬間、妨害の通信は遮断され、潜伏していた工作員は次々と確保される。“スパイ三十七人”が一夜で特定――政界と官界に、静かな激震が走った。