1995年の阪神淡路大震災が発生した際、天皇陛下は中東諸国への親善訪問を予定していました。しかし、震災による甚大な被害を受け、天皇陛下は「このような状況で海外に行くのは忍びない」と感じられました。外交的な理由もあり、当初の予定通り訪問を実施されましたが、被害の規模があまりにも大きかったため、訪問は2日早く切り上げられ、急遽帰国されました。帰国後、天皇陛下は被災地を訪れ、膝をついて被災者と同じ目線で話をされました。被災者の話に耳を傾け、励ましの言葉をかけるその姿は、多くの人々に深い感動を与えました。また、被災した男の子のノートに「頑張ってください」と直筆でメッセージを残し、その細やかな心遣いが話題となりました。訪問中、天皇陛下は中東の地でも、震災で亡くなった方々や苦しんでいる人々のことを常に心に留めていたと語られました。この一連の行動は、被災者を第一に考える天皇陛下の姿勢として、広く人々の心に深く刻まれました。