銀行の窓口。 新人エリート銀行員の高嶺達也が地味な制服姿の少女を見下していた。 少女の名前は川村春菜、十八歳の高校三年生。くるびた靴、お下がりのバッグ。 その外見は一目で貧しさを感じさせた。 春菜は父の遺産講座について相談に来たのだが、高嶺は聞く耳を持たなかった。 周囲の客や行員たちの視線が一斉に春菜に集まった。 春菜の顔は赤く染まり、隣の窓口の婚約者たちもクスクスと笑い声を漏らしていた。 「母が病気で治療費が必要なんです」と必死に訴える春菜。しかし、高嶺の表情はさらに冷たくなった。 高級スーツに身を包んだ高嶺は、春菜の古びた制服を踏みつけるように見つめ、大声で嘲笑した。 周囲からも失笑が漏れた…。(続)
2026/01/16