航空機がヨーロッパに向かう際、上空のジェット気流を通ることで、飛行速度を大幅に向上させることができます。ジェット気流の風速は時速300キロメートルを超えることがあり、この強力な風を利用することで、飛行機はより速く目的地に到達し、燃料の消費を抑えることができます。ニューヨーク発ロンドン行きのブリティッシュ・エアウェイズの飛行機が、驚異的なスピードで飛行したことで話題となり、このルートは「空の高速道路」とも呼ばれています。このジェット気流を最初に発見したのは、1920年代に活躍した日本の気象学者、大石和三郎でした。彼は欧米がその存在に気づく何十年も前に、この気流の重要性を理解していました。ジェット気流は太平洋上にも存在しており、第二次世界大戦中には日本軍がこの気流を利用してアメリカに風船爆弾を送り、一部の地域で被害をもたらしたと言われています。ジェット気流の発見は、航空業界だけでなく、歴史においても大きな影響を与え続けています。