玄関の前で、猫はずっと待っていた。迎えに来てくれると信じて——。咲という猫は、かつてパパとママと三人で幸せに暮らしていた。だが夫婦の関係が悪くなり、ある日ママは家を出てしまう。残された咲は、さらに数日後、パパに外へ置き去りにされた。それでも咲は「待っていれば帰ってくる」と信じ、寒い日も雨の日も玄関の前から離れなかった。そして数日後、ついに聞き慣れた声が響く。「咲ちゃん!」必死に探していたママだった。衰弱した咲を抱き上げ、涙ながらに抱きしめる。「もう絶対に離さないから」——その言葉と温もりに包まれ、咲の長い待ち時間は終わった。今、咲は再び温かい家でママの隣に丸くなって眠っている。もう玄関で待つ必要はない。