天皇陛下が食事に注文を付けたのは、ほんの一度だけ。それは、まだ皇太子だった頃、特別なお客様をおもてなしするための料理についてでした。ある日、側近から「プライベートなお客様に中国料理を振る舞いたい」との依頼があり、どんな方をおもてなしするかは明かされず。ただ「中国料理」とだけ指定され、普段通りにメニューが提案されました。すると、陛下が突然、「もう少し検討していただけませんか?」と一言。今まで一度も注文を付けられなかったので、大前課のスタッフは驚きましたが、すぐにメニューを改善。結局、そのお客様が誰かはわからずじまいでした。ところが、後日、雅子さまがご結婚後、皇后としてその食事の美味しさに感謝の言葉を述べたことで、あの時の特別なお客様が皇后雅子様だったと判明。実は、あの時は大切なデートの場だったのです。