結婚式当日、新婦の姿はどこにもなかった。代わりに現れたのは彼女の両親。そして義父の言葉は冷酷だった。「底辺のお前に私の娘はやれん。この結婚式はなかったことにしろ」。彼女を家に閉じ込めたとも言われ、俺は愕然としながらも静かにその場を後にした。それから数年、俺は洋食店を一時閉じ、弟の勧めでホテルの調理部門に転職した。そこで新しい挑戦を続け、妻から教えてもらった海外のトレンドを活かして新メニューを開発。それは大きな反響を呼び、ホテルの高評価に繋がった。そして偶然にも、ある日ホテルのレストランに食事に来た家族客は義父母だった。驚きとともに真っ赤な顔をした義父は席を立とうとしたが、妻が現れ、数年ぶりの再会となった。「父さん、この料理を生み出した人、おわかりですか?」そう問いかける妻に義父は言葉を失ったが、やがて「認めよう」と呟いた。その後、家族関係は徐々に修復されていった。俺はまた地元で店を再開。妻も幸せそうだった。息子が「俺も洋食屋をやりたい」と言った時、父の言葉が蘇る。「いろんなことを経験してからでも遅くないぞ」。俺は笑顔でそう返した。