「社長令嬢と結婚するから離婚してほしい」――そう告げた啓太は、妻のさやかを置いて新たな人生へ進もうとしていた。浮気相手は名家の令嬢で、自分は将来その会社の社長になるのだと信じ切っていたのだ。しかし、離婚の話が進む中で、さやかが偶然知ったのは衝撃の事実だった。啓太が“運命の出会い”と語っていた女性・山中愛子は、確かに会社経営者の娘だったが、実家とは絶縁状態で、社長令嬢という肩書きも彼を惹きつけるためのものだった。さらに、初々しい出会いだと思っていた話も偽りだったと判明。啓太の描いていた華やかな未来は一瞬で崩れ去った。一方、さやかは冷静に離婚を受け入れ、慰謝料や財産を受け取る。大切なものを失ったことに気付いた啓太だったが、もう戻る場所は残されていなかった。