北海道への出張を終え、久しぶりに故郷の街を歩いていた哲也は、20年前の記憶を思い出していた。隣の家に住んでいた幼馴染のるり。幼い頃からいつも一緒で、傷ついた彼女を守ることが自分の役目だと思っていた。ある日、近所の教会で見た結婚式。純白のドレスに憧れるるりの横顔を見つめながら、哲也は子供ながらに未来を想像していた。その帰り道、頬を赤らめたるりは小さな声で言った。「いつか絶対、お嫁さんにしてね」しかし、成長するにつれて二人の距離は少しずつ離れていった。家庭環境が悪化したるりは不良仲間と付き合い、問題行動を繰り返すようになる。哲也は何度も彼女を止めようとしたが、るりには「ストーカーみたいで気持ち悪い」と突き放されてしまう。高校2年の時、るりが付き合い始めた相手は評判の悪い男だった。彼女を心配するあまり忠告した哲也だったが、二人は大喧嘩。るりは涙ながらに叫んだ。「あなたも私の親と同じ。噂だけで人を決めつけてる」その直後、哲也の父親の事業失敗が発覚し、一家は夜逃げ同然で北海道を離れることになった。それ以来、るりとは音信不通になった。20年後――。