広末涼子は、華やかな芸能界の裏で数々の試練を経験した。ある夜、都心のクラブで朝まで楽しんだ彼女は、西麻布から百十キロ離れた撮影現場に行くためタクシーに乗り込んだ。疲れ切った彼女が現場に到着すると、足首にテーピングを巻きながら路上で座り込んだ。この日の撮影は実は中止されていたが、マネージャーが連絡するのを忘れ、彼女はひとりで田舎の道をさまようこととなった。中学時代には、ガキ大賞に出演したことで彼女は注目を浴びたが、それがいじめのきっかけにもなった。制服が捨てられたり、無視される日々の中で、広末は帰り道で男子グループに取り囲まれることもあった。男子は彼女にとって恐怖の対象となり、彼女の心に深い影を落とし続けたのだった。そんな困難を越えて、今の彼女の輝きはさらに増すばかりである。