ある日、私は妊娠中で、両親と私たち夫婦が同居することになった。夫の直人さんは出張が多く、不安を感じていた私には安心材料だった。だが、兄嫁の恵子さんはそのことに不満を抱いていた。「ひどい!やっぱり嫁より実の娘がいいのね…しくしく」と兄嫁は悲しげに訴える。母は冷静に「それはそう」と返す。恵子さんは繊細で、何かと被害者意識が強い人だ。何かにつけて泣いて、周囲の気を引こうとする様子に、家族は手を焼いていた。そんなある日、兄の達也が突然私たちが住む家にやって来て、「この家に俺たち夫婦も住む」と宣言した。状況を説明しても、「俺は長男だ、普通は俺たちと同居だろ」と譲らない。結局、彼らの動揺も収まらないまま、兄夫婦は去っていった。数ヶ月後、兄から衝撃的なニュースが。兄嫁と離婚すると決意したのだ。恵子さんの執拗な不満が原因で、彼自身も疲弊していた。この出来事を通じて、兄は家族との絆を再確認し、心の負担を軽くしたかったのだろう。その後、私たちは新生活を迎え、これから生まれる赤ちゃんに思いを寄せながら穏やかな日々を過ごしている。兄も自身の決断を喜んでいるようだ。