定年後のゴルフ三昧に興じた田中さん(仮名・62歳)は、憧れていた「週二回のゴルフ生活」をわずか三ヶ月で終えることになった。現役の営業マンだった頃は月一回のラウンドがやっと。それが定年後、好きなだけプレーできる夢に胸を膨らませていた。しかし、現実は想像以上に厳しかった。まず飽きがやってきた。同じコースで、同じ展開。スコアは伸びず、技術向上の実感はほぼなし。二ヶ月目には「またこれか」とつぶやく自分に気づき、月一回だからこそ特別だったのだと痛感。楽しみがルーティンになると、新鮮さを失い退屈になるのは避けられなかった。さらに身体の衰えも無視できない問題だった。膝と腰に痛みが走り、翌日は動けないほどの疲労。かつての若さはとっくに過ぎ去り、ゴルフ場は容赦なく体力を奪っていった。そして人間関係も決め手のひとつだった。同じメンバーとの会話が尽き、スコアを競う空気には重圧を感じ始める。楽しいはずの場が気疲れの場へと変化。田中さんは遂に足を遠ざける決断をした。