夢にまで見たハーレーのロードスターがついに俺の手元にやって来た。納車当日は興奮で前夜からほとんど眠れず、朝早くからディーラーへ向かった。店員の丁寧な説明を受けながらバイクをチェックし、「俺の新しい相棒」と胸を高鳴らせた。そのカフェスタイルのシルエットは、憧れていた通り完璧だった。初めてのエンジン始動。その瞬間、心地よい振動とエンジン音が体に伝わり、思わず笑みがこぼれた。「ああ、これがハーレーか」。ディーラーを出て、近くの道路で軽く練習をしてみることにした。新しいバイク特有のぎこちなさと、サドルの位置感の違いに少し戸惑いながらも、しばらく走れば慣れるだろうと余裕を見せていた。が、ここからが悪夢の始まりだった。信号待ちでバイクが突然ストール。再度エンジンをかけようと試みるが、まったく反応しない。「えっ…これどういうこと？」。ガソリンゲージを見るが問題はない。まさか寒空の下で新車ハーレーが止まるなんて夢にも思わず、ディーラーに連絡する羽目に。そして到着したのがレッカー車。納車されたばかりのロードスターがわずか5分でレッカーに乗せられる光景を目の当たりにし、思わず頭を抱えた。憧れのロードスターとの新しい冒険は、衝撃的な幕開けとなった。