私の名前は桜庭月、地元のメーカーでジムのインストラクターをしている。今日は大学時代からの友人、潮みとカフェに来ている。外は寒く、しゃぶしゃぶが食べたい気分だ。「そういえば、潮みの結婚式の件、どうなったんだろう?」と私が尋ねると、潮みはにっこりと答える。「独身なんて地獄よ、結婚したら勝ち組よ、私。」その言葉に思わず笑ってしまう。私たちまだ25歳なのに、結婚が全てじゃないと感じている私は、少し複雑な気持ちだった。しかし、潮みは全く違う。彼女にとって結婚こそがすべてのようだ。そして迎えた結婚式。寒さの中、駅からさらに30分、タクシーも使えず、到着したのはまばらなゲストがいる会場。式場は、実家の近くではなく、彼女の旦那が大学時代アルバイトをしていた場所に決まった。式の前には、インスタで愚痴をこぼす彼女の姿が目に浮かぶ。「今年、寒ぶりも美味しいね。」と話しながら式に参加したものの、式場での不満は尽きなかった。気温5度、引き出物なし、料理も寂しい。しかも、400万もかかったという費用に驚愕。式の中で、夫婦の思い出を再現したプロポーズムービーも流されたが、正直、恥ずかしさが募るばかり。結婚式後、友人たちは「何であんな式だったんだろう?」と口々に話していたが、私は言葉を飲み込んだ。結婚式に費やした400万、その内訳がどこに消えたのかは分からないが、結果的に「勝ち組」だと思われる彼女にとって、それが全てだった。