2019年にツアー初優勝を果たした稲見萌寧は、その後も毎年勝利を重ね、2021年には賞金女王に輝いた。さらに東京オリンピックでは銀メダルを獲得し、日本女子ゴルフ界を代表する存在として華々しいキャリアを築いてきた。転機となったのは2023年。TOTOジャパンクラシックを制し、念願だったアメリカツアーへの出場権を獲得。誰もが新たな飛躍を期待したが、待ち受けていたのは想像以上に厳しい現実だった。18試合に出場しながら10度の予選落ちを喫し、思うような結果を残せず、デビュー以来続いていた優勝記録も途絶えてしまう。それでも稲見は決して下を向かなかった。なぜ本来のプレーを失ったのかを冷静に分析し、自身のスイングやメンタルと真摯に向き合いながら、一つひとつ課題を修正し続けている。2029年までの長期シードを持つ彼女には、焦る必要はない。挫折を経験したからこそ得られる強さが、再び世界で戦うための大きな武器になるはずだ。