名古屋駅を出発し、愛知県から近すぎる離島「神島」への探訪を決意した。地図上では愛知県の松海半島の先端に浮かぶこの島は、実は三重県に属していた。船に揺られること数時間、目の前に浮かぶ神島の姿は、まるで異世界そのものだった。島に足を踏み入れると、そこにはかつて神が宿ると信じられた神秘性が漂い、三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台としても有名だ。島内を巡る道は起伏が激しく、一周するのに約二時間を要するが、その景観は訪れる者を飽きさせない。神島の中心には八代神社が鎮座し、その神々しい佇まいに胸が高鳴る。訪れた者だけが知ることのできるこの神秘的な空間は、日常から瞬時に離れたかのような感覚を与えてくれる。この旅は、単なる探訪を超え、現実と幻想が入り交じる特別な体験をもたらしてくれた。