関東地区では、鉄道会社間でのICカード競争が激化しています。JR東日本の「Suica」は既に市場で確固たる地位を築いていますが、私鉄各社は共同で「PASMO」というカードを展開しています。一見すると、JRの誘いを断ってPASMOを選ぶ理由は不思議に思えるかもしれませんが、そこには深い背景が存在しています。まず、SuicaはJRが莫大な資金を投じて開発した成果であり、JRにとっては重要な収入源です。そのため、他社と統合することなく独自路線を維持することは、経済的に理にかなっているといえるでしょう。一方の私鉄各社は、複数の鉄道会社をまたいで使える統一カードの方が利用者にとって便利であり、自社の顧客基盤を強化できると考え、PASMOの道を選択しました。