2017年、スペイン国王夫妻の来日において、注目を集めたのは美智子さまとレティシア王妃の交流でした。美智子さまは長年、親しみを込めた仕草として肘に手を添える行動を続けてこられましたが、これは皇室内でも名物となっていました。一方、欧米の王室では、親しい関係でない限りボディタッチを控えるのが礼儀とされています。今回の訪問では、レティシア王妃は美智子さまの「肘掴み」を三度に渡り自然にかわしました。最初の出迎えでは歩調を早め、式典ではバッグを両手で持ち直し、晩餐会では逆に背中に手を回しました。これらの優雅な対応は、王妃の洗練された国際礼儀を示しました。一方で、美智子さまの行動は相手の文化に対する無関心さとして映り、愛情表現ではなく誤作法とみなされた瞬間でもありました。この異なる文化における接触の扱いが、両者の違いを鮮明に浮かび上がらせました。