私は建設会社を率いる社長として、社員旅行の予約のため有名旅行代理店を訪れた。五万人の社員が心待ちにする一大イベントだ。しかし受付で八時間待たされた末、返ってきたのは冷たい一言だった。「隣の代理店の方がご予算に合うのでは?」さらに閉店間際、シャッターを半分下ろされ、「貧乏旅行はお断り」と言わんばかりの態度。私は静かに名刺を差し出した。「うちの社員旅行、五万人分は中止にします」店内が凍りつく。五万人規模の豪華客船ツアーは年間売上を左右する大型案件だったのだ。慌てて店長が弁明するが、防犯カメラには私を無視し続けた八時間が記録されていた。「信用を失うのは一瞬です」後日、本社の調査で店長は自宅待機処分。社員旅行は別の店舗が誠実に担当することとなった。