3歳の息子が突然、「前世から来たんだ」と語り始めた夜。私は半信半疑ながらも、彼を抱きしめながらその言葉を聞き出すことにしました。彼の小さな声は途切れ途切れに「岩手」という地名や見知らぬ名前を口にし、まるで過去の記憶を辿るようでした。翌日、妻と相談し、話の中で繰り返される「岩手」を訪れることにしました。車を走らせ、幼い息子を連れてその地に足を運ぶと、彼が指さした先には古びた家が現れました。そこに住んでいたご老人との会話から、息子の話していた内容と重なる記憶が浮かび上がり、妙な確信を抱くに至りました。物語はそこで終わりません。彼の言葉に導かれ、訪れた地での出来事が、不思議と私たち家族を温かく包み込んでくれました。息子の前世の記憶は薄れていったものの、そこで得たつながりは確かで、何よりも大切なものとなったのです。