父の葬式の日、姉の由紀は父の家で手を合わせ、長らく抱えていた孤独を静かに思い返していた。見かけぬ妹、美希が遅れて到着し、「遺言書ってあるよね?」と財産を尋ねた瞬間、かつての親たちの溺愛を思い出させる。親戚一同の前で弁護士が遺言を読み上げると、由紀には一千万円、美希には五百万円が遺された。美希は不満を爆発させ涙を流すが、その時、母が毅然とした態度で自分の分を妹に譲る申し出をした。さらに、美希がお金に困っている理由を知った由紀は、自らの役目を改めて実感した。美希が無駄にした金で結婚生活が危ぶまれている中、由紀は親との関係を修復し、愛と理解を深めた。数日後、由紀は故郷で父の遺品整理をしながら母との絆を新たにする。写真の少ないアルバムを見た母も、これからの幸せを誓う。そんな中、由紀は新しい生命の誕生を控える。家庭の中でのバランスを見つけた彼女の未来は、穏やかなものとなるであろう。