山下さんは、婚約者の自慢話が止まらない。彼は高学歴、高収入で、都内の高級住宅街にある豪邸が実家だという。「すごいでしょ?こんな素敵な家が私のものになるなんて夢みたい♪」と自信満々にスマホの写真を見せつけてきた。しかし、その写真を見た瞬間、私は凍りついた。「あの…これ、私の実家なんだけど?」と口にすると、山下さんは笑い飛ばす。「そんなわけないでしょ!矢吹さんが羨ましがる気持ちはわかりますけど!」そこで私は「じゃあ確かめてみる?」と誘い、彼女を実家に連れて行った。玄関を開けた瞬間、私の両親が「お帰り!」と笑顔で迎え、山下さんの顔色は青ざめる。「本当に…矢吹さんの実家…?」さらに調査を進めると、山下さんの婚約者が私の実家を自分の家だと偽り、山下さんを騙していたことが発覚。しかも彼は山下さんから多額のお金を借りており、浮気もしていた。私はボイスレコーダーを取り出し、「すべて録音しました。お金の返済と慰謝料、どうしますか?」と詰め寄る。最終的に婚約者は全額返済を約束し、山下さんと別れることに。山下さんは涙ながらに「今までの無礼をお詫びします」と謝罪し、心を入れ替えることを決意した。それ以降、彼女は別人のように真面目に仕事に取り組み、私たちは同僚として良い関係を築くようになった。「お金や地位じゃなく、穏やかで平和な日々こそが本当の幸せだ」と改めて実感する出来事だった。