がん治療を断念し、野球部を支え続けた養子館高校の女子マネージャー、大阪明子さんの物語は、多くの人々に感動をもたらしました。高校二年の夏、彼女はのどの痛みに気付き、医師の診断を受けると咽頭がんであることが判明しました。それでも野球部の仲間たちは、「明子を甲子園に連れていく」と誓いを立て、その結果、大分県予選を勝ち抜き、見事に甲子園への切符を手にしました。甲子園ではベストエイトまで進出し、学校の伝説となりました。しかし翌年、明子さんのがんが進行し、治癒の見込みがない状態に。しかし彼女は「皆とグラウンドで過ごすと疲れが吹き飛ぶ」と話し、治療よりも野球部の活動を選びました。部員たちは、明子さんと共に春を迎えられることを祈って、火壇にチューリップを植えるという形で彼女の意思を継ぎました。その後、大阪明子さんの意志は次世代にも受け継がれ、彼女の後輩である侍ジャパンの星買拓哉選手は、試合前に彼女が好きだった「心」という文字をホームベースに書き込んでいます。彼女の勇敢な選択と、仲間との絆は今も生き続けています。