鋼鉄の塊から削り出されるのはわずか280グラム。常識を遥かに超えた97%を捨てる製法が、フィギュアスケートの歴史を変えた。なぜ名古屋の鉄鋼会社がスケートブレードを手掛けるに至ったのか、その背景には、一人のスケーター、小塚崇彦との出会いがあった。寺西社長は彼が持参した歪んだブレードを見て、「うちならもっといいものが作れる」と直感。これが始まりだった。9年間もの開発の末、溶接を排除し、一体型削り出しのブレードが生まれた。通常の鋼材加工では考えられない精度と技術を駆使し、かつ日本刀製作にルーツを持つ島根県の特殊鋼を採用。こうして人間の体重の数倍の衝撃にも耐えうる、史上最強のブレードが完成した。