貴景勝が入門した貴乃花部屋では、朝稽古が午前4時から始まる角界随一の厳しさだった。新弟子ながら関取目前の貴利を圧倒した貴景勝の強さは、思わぬ波紋を呼ぶ。貴利は稽古での不振をきっかけに貴乃花親方から突然、部屋追放を宣告されたのである。追放後、貴利は復帰を願い師匠と話そうとするが、妻の景子さんによる曖昧な取り成しも虚しく、面会は叶わない。そして一週間後、本人の同意なしに引退届が提出されていた事実を知り、怒りで震える。こうして貴利は法廷で貴乃花と対決する道を選んだ。裁判では部屋の内紛が浮き彫りに。貴乃花と唯一の関取・貴ノ岩との確執、そしてベテラン力士までもが師匠に不利な証言をするなど、部屋の結束は既に崩壊していた。厳格だが不器用な貴乃花の指導法と、それを補えなかった環境が、悲劇を生んだのである。