2002年、久子さまの夫である高円宮憲仁親王が薨去されてから一年が過ぎた頃、深い悲しみを抱える久子さまを励ますような出来事がありました。当時の皇太子ご夫妻は久子さまを食事会に招待され、そこで当時まだ２歳だった愛子さまがささやかながら心温まる行動を示されたのです。皇太子殿下が「愛子がプレゼントを用意していますよ」とお話しになると、幼い愛子さまは少し恥ずかしそうに久子さまの元に駆け寄り、一つのお猿のぬいぐるみを手渡しました。そのぬいぐるみには、愛子さまが覚えたての文字で書かれた「久子おばさま大好き」という短い手紙が忍ばされていました。久子さまはそれを受け取ると、静かに感謝の言葉を述べながら、その手紙を大切そうにバッグにしまわれました。まだ夫の死という深い悲しみを完全には乗り越えられなかった久子さまにとって、愛子さまの純粋で優しい言葉は、どんな励ましの言葉よりも心に響いたに違いありません。この出来事が、現在久子さまが公務やご活動に力強く打ち込まれている背景にあるのかもしれません。