5年間も主人を探し続けた犬の物語に、誰もが涙した コロという小さな犬は、その日も主人と一緒に満員電車に乗っていた。主人の足元に丸くなり、安心したように眠りについたその瞬間が、二人の運命を引き裂くきっかけになるとは誰も想像していなかった。気がつけばコロは電車の中、そして主人は外。扉が閉まり、電車が走り出す。コロは取り残され、主人の姿を必死に探しながらも見つけられなかった。駅に戻り、コロは主人が再び現れるのを待ち続けた。しかし、主人が姿を現すことはなかった。街へ出て、線路沿いを歩き、見覚えのある風景を辿り、コロは主人を探し続けた。この旅路は過酷だった。雨に打たれ、雪で震え、無数の車や石投げに追われ傷ついた。それでも、あの優しい手の温もりをもう一度感じたいという一心で、旅を続けた。そして5年後、一つの町で偶然にもコロはかつての家へ辿り着く。朽ちた家の前で、コロの姿を見つけた老人が主人に連絡を取り、再び二人は再会を果たす。その瞬間、コロは蘇ったように主人の懐へ飛び込む。ボロボロになった体で泣きながら主人に抱きつくコロ。それを抱きしめ、一緒に声をあげて泣く主人。一人と一匹は、長い旅路の果てに、再び家族の絆を取り戻した。