嫁がダイソーの木箱を買ってきた。正直なところ、特に期待していなかった。ただの小さな木箱、100円ショップのアイテムだ。彼女がそれを机の上に置いたときも、「何かに使うんだろう」とぼんやり眺めていた。
しかし、彼女の手は迷いなく動き始めた。まず、木箱の中からいくつかの仕切り板や小さなパーツを取り出し、まるで職人のように組み立てを始めた。木工用ボンドを使い、パーツを素早く固定していくその手つきには、一種の緊張感すら漂っていた。
3分後、目の前に現れたのは、小さなけれど精巧な調味料収納ボックスだった。まるで市販品のような仕上がりに思わず息を飲んだ。サイズもぴったり、デザインもシンプルで機能的。彼女は少し照れくさそうに微笑み、「台所が少しスッキリするかな」と呟いた。
ダイソーの木箱一つでここまでのものを作り上げる彼女のセンスに感動せずにはいられなかった。その後、この木箱は我が家の台所で大活躍することになるのだが、それはまた別の話だ。