千鳥の大悟がフジテレビの番組を降板することになった背景には、理不尽さが潜んでいる。その発端は、ハロウィン企画として大悟が松本人志のコスプレをした収録会が放送直前に急遽お蔵入りとなったことにある。金髪のウィッグにティーシャツという松本人志に似せた姿が問題視されたようだが、昨年同様のコスプレが許されたことを考えると、今年の対応は一方的であり、放送直前になって差し替えられるとは到底理解しがたい。大悟はこの対応に対して不満を持ち、自らの意思で降板を申し入れたと報じられている。この出来事は、演者やスタッフの意向とは無関係に、上層部の決定が覆されるテレビ業界の構造的な問題を浮き彫りにしたのである。現場の声を無視する形で展開されたこの一件は、謎めいたコンプライアンスの典型例として語り継がれるだろう。